2020年12月28日

冬の山研に偵察・メンテナンスにいってきました

12月のある日、山研の偵察とメンテナンスに行ってまいりました。

来年始まるプロジェクトの準備もあり、閉所後も山研の運営はなかなかに忙しいです・・・。


Home, sweet home♪


静かな河童橋



さて、今年の上高地は積雪のペースが早いようです。

なぜそれがわかるのか?


公益活動・研究活動の一環としてライブカメラを起動させて(今回山研入りした目的の一つでもあります)、積雪深を計測しています。また、継続的に気象データもとっています。

↓JACのHPで公開中



ぜひみてね。


山研委員 わだこ記

2020年11月30日

イベント告知:エベレスト初登頂の謎に挑む「山岳史上最大のミステリー– マロリーとアーヴィンを捜して- 」

またまた、上高地とも山研とも関係ないのですが・・、Zoom講演(無料)のお知らせです。

以前ご紹介した、ジョージマロリーのこと・・(過去記事

マロリーとアーヴィンの1924年の登攀物語は登山の話という以上に、未知のものに立ち向かっていく冒険物語として心ひかれます。それが悲劇で終わったのならばなおさら・・。

さて、1999年にマロリーの遺体は発見されましたが、アーヴィンはまだエベレストで一人眠っているわけです・・。

そして、なんと驚いたことに、未だにこの謎を追い続けアーヴィンを捜し続けている人たちがいるという!!

2019年には私が知る限り、ナショナルジオグラフィックと、アメリカのディスカバリーチャンネルが捜索の遠征隊をだしていたのです。

で、長くなりましたが・・・マロリーを発見した1999年から2019年まで複数回捜索のためにエベレストを訪れた経験をもつ、米国のJake Norton氏を招き、Zoom講演を開催します。

なんと・・お茶の間でも大人気の天国じじいこと貫田さんもオープニングで挨拶くださる予定です。貫田さんは、マロリー等のストーリーにどんな思い入れがあるんでしょう。気になります。


今回は初めての通訳つき・海外ゲストを招いたZoom講演です。主催者のわたしたちJACも少し冒険しています。



エベレスト企画第3回「登山史最大のミステリーマロリーとアーヴィンを捜して-

当時の発見メンバーが語る執念の遺体捜索(逐次通訳付き)

(終了しました)

<日    時> 12月5日(土) 午前10:00- (最大2時間を予定)

<形式> Zoomを利用したインターネット上のセミナーです。

お申し込みはこちらから。

スピーカープロフィール

講師:Jake Norton

クライマー、写真家、映像作家、ライターであり、世界各地で講演も行っている。これまでエベレストに3回登頂、1999年にはジョージ・マロリーの遺体を発見したチームに登攀メンバーとして参加。映像作家としては、これまでに手がけたドキュメンタリー映画が3度受賞、2020年にはDiscovery のテレビ番組でマロリーとアーヴィン捜索を題材とした番組制作を手掛けた。国連の山岳パートナーシップのアンバサダーとして世界各地で山や山岳コミュニティを代表して講演も行っている。現在、米国コロラド 州Evergreen在住、2児の父・愛妻家でもある。




通訳:笹生博夫 

BBCなど外国TV局のニュース、ドキュメンタリー番組の取材、プロデュースに従事。外国特派員協会会員 通訳案内士。山岳関係の通訳実績:田部井淳子氏の海外講演や外国メディア取材通訳の他、ヒラリー卿、ダグ・スコット、クルトディームベルガー各氏の来日講演の通訳。登山歴は50年以上、現在は山スキーを中心に国内外で山行、 山岳スキー競技日本代表監督 山岳スキー 国際連盟公認審判。JAC会員、公社日本山岳スポーツクライミング協会山岳スキー委員長。

山研委員 わだこ記

2020年11月11日

2020年 閉所報告

 11/8をもちまして、私ども山岳研究所は閉所いたしました。

今年の閉所の様子をお届けします。

今年は、みつ!を避けねばということで少人数かつスピーディに、一方で閉所ノウハウの伝承も念頭に行いました。

まずは定番の雪囲い・・野澤副会長を筆頭に、超テキパキと完了。

そのあとは、高い場所の窓そうじです。脚立を目一杯に伸ばしての高所作業なんですが・・

山屋さんとしての技術と知恵がいきる瞬間です!


こちらの高橋名人も、2階から身を乗り出して(下は吹き抜けなので高いんです・・)換気扇掃除をしてくださいました。


2日目のメインは、水回り作業。各委員がやることをちゃんと把握しているので粛々と作業を進めます。

私は恒例の受水槽掃除をありがたく拝命しました🙄(小さなタンクに入るので小柄な人が向いてるんです)。

ワンシーズンたつと、こんなに泥だらけ・・。これをきれいに掃除して、凍結を防ぐためにきれいに水を拭き取ります。


拭いても拭いても追いつかない・・

もう嫌だ!!さぼったれー!とぼやいていたら、

すかさず高橋親方の檄がとびます。


仕事には厳しいけど、いつもニコニコ優しい高橋さん、みんなの頼れる親方です。


とまぁ、他にも書き切れないくらいいろんな作業を委員で分担しております。


さて。。

今シーズンは、開所からCovid-19の感染予防対策に悩み、今ほどウイルスの特性が分かっていなかった中、毎週のように委員会を開いて、利用ルールや開所時期を手探り状態で考えぬいたのは大変な経験でした。

一方で、オンラインでの委員会開催も始まって、首都圏外に在住の委員にも参加いただいたり、これからの山研が何をすべきかを真剣に考える機会にもなりました。

また、新たに山田管理人を迎え、そして今まで管理人を務めてくださっていた元川さんが委員に加わってくださったので、委員会全体がパワーアップしたように思います!

というわけで、振り返ると、今の私としてはなんか大変だった気もするけど、やりきったぞ、という気持ち🙏


いつも皆様の応援が励みになっています。今後もご期待ください。

山研委員長 わだこ記

2020年10月31日

(youtube公開中)気候について考えよう:オンライン講演「エベレスト気候変動」

上高地も秋が深まり、そろそろ冬山シーズンの到来にワクワクしていらっしゃる方も多いかと思います。

一方で、上高地や山の気候が年々変わってきていることも、山を愛する方なら肌で感じていらっしゃることでしょう。

日本山岳会の会報「山」2020年4月号では、大町の山岳博物館館長 鈴木啓助氏が寄稿し、上高地の降雪量を梓川の水量から解説してくださっています。


「山に降る雪はどうなるのだろうか - 上高地に降る雪の量は増えている?」


ここ数年スキー場運営を悩ませる小雪が懸念される中、日本の山岳地帯では積雪量が減ることは考えられない、という内容です。

こちらから読めますので、ぜひご覧下さい。


一方で、昨年9月にIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change、国連気候変動に関する政府間パネル)はレポートを発表し、ヒマラヤを含む高い標高の山岳地帯について、気候変動がもたらす氷河の後退(そして消失)について警鐘を鳴らしています。氷河がとければもちろん川の水量が増えて洪水が起きますし、地域の農業にも影響を与えます。



出所:https://report.ipcc.ch/srocc/pdf/SROCC_FinalDraft_Chapter2.pdf



さてさて、前置きが長くなりましたが、日本山岳会のオンラインイベントのお知らせです。

これは、日本山岳会の120周年記念事業およびエベレストの日本人登頂50周年を記念したプロジェクトの一環で開催します。

この50年でヒマラヤの気象や氷河にどんな変化があったのでしょう?気候変動は、今後のヒマラヤ登山にも大きな影響を与えることは避けられないでしょう。

超豪華ゲスト(下記ご参照)がヒマラヤの気候最前線をご紹介くださいます。


遠い遠い(そして高い)ヒマラヤの話ではありますが、上高地を愛するみなさんにも関心が高い分野と思い、本ブログで告知させていただきます。

「エベレスト気候変動」

-ヒマラヤ気象予報最前線と氷河の行方-

【11/11追記】
イベントは無事開催され、多くの方にご参加いただきました。
当日の講演はこちらからご覧いただけます。






<日    時> 11月5日(木) 20:00- (最大2時間を予定)

Zoomを利用したインターネット上のセミナーです。

お申し込みはこちらから。

(登録いただいたメールアドレスにZoomへのリンクが届きます。)

講師:飯田 肇氏(富山県立山カルデラ砂防博物館学芸課長)、猪熊 隆之氏(ヤマテン代表)

司会:近藤 謙司氏(アドベンチャーガイズ代表)


ひっそり私が運営に携わっております、秋の夜長にぜひご参加いただけたら嬉しいです。

山研委員 わだこ記

2020年10月18日

焼岳に登ってきました。

先週、焼岳に登ってきました。

焼岳は広葉樹が多く、絶好の紅葉スポットです。

上高地から中の湯10号カーブの登山口までタクシーで4,200円くらいです。

今回はなんと!さんけんの予約がないのでポールさんも急遽ご一緒いただきました!

植物の話をいろいろポールさんに教えてもらいながら歩きます。

ウスヒラダケ
ナナカマドが赤い。

上高地が黄色い。


噴火が怖いからと友人とポールさんはヘルメット着用しておりました。
半日コースで楽しい焼岳。穂高も冠雪して、これからは焼岳の三段紅葉が良さそうです。
あっという間にもう晩秋。でもまだまだ間に合う上高地。
是非、さんけんから、若しくはさんけんへ歩き出してください!!

見習い山研委員 やました


おまけ 其の壱
タクシーの運転手さんから教えてもらったお話し。
カツラの木が絶好調に薫っている上高地ですが、カツラは愛染明王のシンボルで縁結び信仰があるそうです。葉の形もハート💛ですね。
見習い山研委員は必死になってカツラの葉を探したりなんてしてませんよ(笑)

おまけ 其の弐
さんけんのストーブがやっっっと新しくなりました。
あー、暖かや、暖かや。ぬくぬくにしてお待ちしています。



2020年10月12日

今日の上高地

上高地もじわっと紅葉してきました。
カツラの木が薫っています。
見習い山研委員 山下

2020年9月13日

山研修繕日記 

 久しぶりの投稿になってしまいました。

今期の山研は、感染症対策で利用者の方にも寝袋持参などご負担をおかけしておりますし、利用人数制限もあり少し寂しい感じです・・・

が、ありがたいことに皆様のご理解をいただいて運営ができております。(利用者のみなさまありがとうございます😊)

また、委員一同、いつにも増して山研運営にはりきっております。

そんなわけで〜、先日修繕作業にいってまいりました。


まずは、地下のドアが湿気で緩んで閉じなくなっていた(!)のでその修理です。

慎重にカンナをかけていくS委員とF委員



最後は開閉がスムーズになって一安心。

S委員は電気のスイッチの接続や状況も確認してくださっていました。

さて私はというと、その間外壁とテラス床の高圧洗浄を行っておりました。

山研の陽があたらない特に北側は苔が生えているのできれいにしたかったのと、タイルの耐久性の確認も兼ねて。


それではご覧ください、はたらくおばさんの勇姿を。

(注:学生時代にAirdropを使っていなかった人はみんなおじさんおばさんです)


壁がこんな風になってましたが・・






















きれいにな〜れ〜










この黄色いのが私の相棒です。


とれた苔が跳ね返って苔まみれになったけど😑

きれいになって大満足や〜


あ、洗浄後の写真は撮り忘れました💦💦💦ので、ぜひ山研にみにいらしてください。



ひと段落ついたところで、水力発電(今年は諸々の事情でお休み中)をしている沢の取水口の偵察へ、いざっ

赤いのが私です・・・
普段人が入らないから笹がもりもり。

はぁ〜、おつかれさまでした。


委員の私がいうのも何ですが・・山研委員会って本当にすごいんです。

技術の専門家も多くいらっしゃるのでアドバイスや技術支援をいただくことができます(しかも皆さん持ち出しで・・)。また、知的好奇心旺盛で、自分で調べてやってみようと楽しんで前向きに取り組む姿勢に私自身いつも刺激を受けています。

専門業者に頼むとやっぱり費用もかさむし、自分達でなんとかしようと取り組むのは、山小屋運営の醍醐味でもあります。

みなさま、これからも山研の応援をよろしくお願いしまーす!

山研委員 わだこ記

2020年6月24日

第74回ウエストン祭記念品のご案内

第74回ウエストン祭が6月7日に日本山岳会信濃支部の皆様の御尽力で、小規模に開催されたことは以前のブログに書きましたが・・・

例年現地で販売されている記念品が、今年は通信販売または日本山岳会の本部事務所(市ヶ谷)、それから山研にて購入できることになりました。

・通信販売の詳細はこちら(日本山岳会のお知らせページ)をご覧ください。
・日本山岳会の本部事務所への行き方は、こちら
(1セット1000円、通信販売の場合は送料と郵便振替の手数料をご負担くださいませ)

さてさて、今年の記念品は、手ぬぐい(針ノ木雪渓)と木製のブローチ(ミヤマスミレ)。

手作りの温もりが伝わってくる、お花のブローチが私のお気に入り。

歴代のブローチたち、あつまれ〜!!
ブローチのお花畑や〜

このブローチ、どうやって作ってるんだろうと以前から気になっていたんですが、板をお花の形に切って、一つ一つ掘って色つけているんだそう。大事につかわなくっちゃ。
写真では綺麗な色がお伝えしづらいのですが、帽子やバッグにつけるとかわいい!

針ノ木雪渓の手ぬぐい。ぜひお手に取って見ていただきたいです。ピッケルをもって歩いている姿まで丁寧に描かれています。


ところで皆さん・・、手ぬぐいって何に使ってますか・・・?

私は実は、手ぬぐいって買うのはいいけど、ちょっと持て余してたんですよね。
トイレにいっても手洗い2秒&ペッペって水飛ばしておしまい、だから持ち歩かないし(唐突にばっちぃ告白)

今年はそうも言ってられないので汗拭きやら手拭きやらに活用しようと思いますが。

というわけで、手ぬぐい大好き♡とおっしゃる事務局のYさんにオススメの使い方を教えてもらいました!それは、

「洗顔の際に、よーくあわ立てた石鹸の泡を顔にのせて、ていねいに手ぬぐいでなでて洗う」

だそう。

そうおっしゃるYさんのお肌は、マスクをしてても伝わる肌理細かさで説得力はんぱなし・・。やる、絶対。

記念品は数に限りがありますので、お早めにどうぞ〜。

山研委員 わだこ記

2020年6月23日

雪解けから、ニリンソウの季節へ

山研は、山岳「研究所」ですので、気象観測や水力発電など、委員が手探りではありますが、各自課題をもち、研究に取り組んでいます。

最近始めた一つの活動に、植物カメラによる定点観測があります。
一定期間で写真を撮って、雪解けの様子や花が咲く様子を記録しています。

その写真たちを一連の動画に古野委員がまとめてくださいましたので、ぜひご覧ください。
上高地の住人たちによる、小さな物語です。

(写真をクリックするとYoutubeにとびます)




山研委員・わだこ記

2020年6月21日

開所しております&6月22日より、利用受付開始します(利用は7月15日から)

県外移動の自粛が解除され、梅雨の谷間のような晴天のうれしいうれしい週末に、山研ヘ行って清掃や修繕作業を行ってまいりました。

ワックスがけ〜、の前に、水拭きぞうきんがけ。
禅寺の小僧さんの気持ちでがんばりまーす。



裏のオイルタンクも錆を落とし、錆予防のペンキで塗装しました。
去年から修繕課題にあがっていたものの、なかなか機会と時間がなかったので、やっとできてよかったです。




休憩中おしゃべりをしていたら、山研の住人・青大将が挨拶にきてくれましたよ。



さてさて、以前ご案内しましたように、山研はいよいよ6月22日正午より、皆様のご利用予約を受付開始します。(ご利用開始は7月15日から)

ご連絡先や詳細につきましては、予約状況・予約方法のページをご参照ください。


山研委員 わだこ記

2020年6月14日

山研の裏にワスレナグサ(勿忘草)が咲きました。
雨に濡れた小さな花が綺麗です。

2020年6月11日

*6月11日更新* 山研利用開始のお知らせ

6/11更新:山研利用開始のお知らせ】

山岳研究所運営委員会は、7月15日より下記の通り、皆様のご利用の受付を開始することを決定いたしました。
会員の皆様には、大変長らくお待たせいたしました。

利用受け入れにあたり、管理人・山研委員会が一丸となり、新型コロナウイルス感染防止のための対策を十分に考慮し講じて参ります。
利用者の皆様にはご負担をおかけしますが、下記ご留意の上ご予約ください。


<受け入れについて>
利用できるのは以下の2室で相部屋利用はしませんので、1日2グループまでです。
・梓(10畳)・・・4名までの1グループ
・穂高(8畳)・・・3名までの1グループ

1グループ5名以上で利用希望の場合は2室を貸切り利用可能とします(最大10名まで)
完全予約・先着順です

<予約方法>
6月22日(月)正午より、お電話・FAXまたはメールにて受け付けます。
電話/FAX0263-95-2533 または、sanken@po.mcci.or.jp へご連絡ください。
(担当:山研管理人 山田和人)
なお、管理人1名で運営をしております。不在中等電話に出られないこともございますので、その場合はお手数ですが時間をおいておかけ直しください。

ご参考:予約状況カレンダー・予約方法をご確認ください。

*滞在中は、飲食・就寝時を除き、マスクの着用をお願いいたします。
*利用前の2週間以内に、①本人・同居者に海外渡航歴がないこと、②37.5度以上の発熱がないこと、③咳などの肺炎と思しき症状がないこと、を利用条件といたします。
*利用時は寝袋をご持参ください。(敷布団・枕はご提供します)
*その他、現地では管理人の指示に従って安全な行動へのご協力をお願いいたします。

皆様のご来所をお待ち申し上げております。

山岳研究所運営委員会


2020年6月8日

第74回ウエストン祭が開催されました

6月の第一日曜日は毎年ウエストン祭が開催される日です。

今年は、感染症拡大予防のためにありとあらゆる行事が中止となりましたが、このウエストン祭も例にもれず開催見合わせ、となりました。

私がこうして山研や上高地に関わらせていただくきっかけのはウエストン祭(と、その前日の徳本峠越え)でしたし、今年はあの人がゲスト・・なんて噂も聞いていたので中止の報は本当にさびしかったです・・

しかしながら、日本山岳会信濃支部の皆さんが、小規模ながらウエストン祭を開催されたとのこと。
くわしくは、信濃毎日新聞の記事






**写真は、山研を代表して参加された新・管理人山田さんに頂戴しました。

今年のWith コロナとかAfterコロナなんて中途半端な英語でごまかしてんじゃないよヽ(`Д´#)ノ 

「新しい生活様式」なんて押し付けてくるんじゃないよヾ(*`Д´*)ノ"、生活様式は自分で選ぶもんじゃろが!!、

と何もかもがもどかしく思えてクサクサしていた私には、信濃支部の皆さんが、新しい形を模索され、小規模ながらもこうしてウエストン祭を執り行い、伝統をつないでくださったことを、何より嬉しく感じました。


最後に、日本山岳会 古野淳会長の祝辞を掲載いたします。
(古野会長は都内からの参列が難しかったため、祝辞を寄せられました)


******

このたびは第七四回ウエストン祭の開催を心よりお慶び申し上げます。戦後の混乱期から一度も中止することなく、今年は、新型コロナウイルス感染拡大の困難な状況の中、小規模にでもまずは開催できたことをうれしく思うと同時に、信濃支部をはじめとする上高地関係各位の皆様の努力に感謝いたします。 一九〇五年に創立いたしました日本山岳会は、この上高地の地から始まったと言っても過言ではなく、日本に近代登山を伝えた私たちの恩師であるウオルター・ウエストン氏をはじめ、たくさんの先輩方に、私たちが今日楽しく安全に登山を楽しめるようになった感謝の気持ちを本日お伝えいたしたいと思います。 英国から日本に伝わった登山文化ですが、上高地から自然保護の精神が全国に伝わり、日本人が独自に発展させていった登山文化の精神を忘れることなく、次の世代に伝えていくことが会員の総意であることをお伝えさせていただきたいと思います。

本日は、七四年目のウエストン祭まことにおめでとうございます。 

公益社団法人日本山岳会 会長 古野 淳



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山研委員 わだこ記

2020年5月17日

フランスが登山再開・その詳細は?

フランスでは、5月11日から外出制限が緩和されましたが、登山再開についてもスポーツ庁(っていうのかしら?Ministere de Sports)から発表されました。


5月のある日の風景

フランス語ですが、ご参考まで(登山関係は52ページ)
(ちなみに、Randonnee はハイキング、escaladeがクライミングのことです。)

超ざっくりですが、
・日帰りのみ(宿泊はテント含めなし)
・ギアは共有しない
1.5mの距離を保つこと。

などがポイントのようです。
なお、フランスでは移動が100km以内に制限されていることにも留意が必要です。
また、これは6月2日までの期限つきで、その後のアップデートが待たれます。
(不確定ですが、6月1日にガイド登山再開、6月中旬に山小屋再開の予定)

それにしても興味深いのが、Ski de randonnee の項目があったり、目次からももんわり察せられますが、いろんなスポーツについて細かく書いてあるところです。

登山が文化ととらえられていて、かつ文化を大切にしているフランスならではだなぁと感じます。(そもそも、スポーツ庁があって、登山もカバーしているのがすごいですよね。)

昨今のコロナ禍では、人権の制限と公共の福祉について、多くの人が真剣に考えることになったと思います。
そして、登山は自由なんだから個人の判断に任せるべき、という人ももちろんいるでしょうし、国がガイドラインを示してくれたほうがわかりやすい、という人もいるでしょう・・。

何が正解かわからないですし、だからこそ、私たち山研もこれから、そのタイミングや、開所して宿泊を含めた利用を受け入れていく際にはどうしたらいいんだろう、と頭を悩ませ続けています。

山研委員 わだこ記

2020年5月9日

おうちで上高地、してみました

ブログのアクセスが増えていると思ったら、「おうちでかみこうち」で検索して見てくださった方がいらっしゃるようで。。うれしい!うれしいです。

今日は朝からもう一つ、うれしい出来事がありました。

ピンポーンがなったので出てみると・・
(あれ、最近通販でなんか買ったっけ?)


きゃあ、徳沢園からの小包。

連休中に買ったのに、もう配送してくださったなんて。
感激😂

早速あけてみた。


手書きのメッセージに癒される・・(きれいな字やぁ)

私が買ったのは、徳沢園みちくさWEB SHOPのはちみつ。 



私、はちみつが大好きで大好きで。「はちみつ」ってことばがすでに好き💗 漢字よりひらがながよい。

こちらは、安曇野で採取したサクラ、菜の花、タンポポ、レンゲソウなど、春の花の蜜の香り高いはちみつ、なんですって(ホームページより)

もう、この文章からすでに北アルプスの春の香りが漂いまくってる・・😍

安心安全の国産だよ!




というかね・・普通に考えてですよ?

徳沢園から瓶入りはちみつなんて重たいもの買ってリュックに入れて帰ってくるのって、ちょっと辛いではないですか。

それを家まで届けてくださるなんて、なんとありがたい🙏

ちょっとしたプレゼントにいいサイズだから、お世話になってる人にプレゼントするつもりです。(会う人少なすぎて個数がさばけるかな・・)


おうちでかみこうち、最高でーす!ぜひホームページをみてみてくださいね。
https://www.kamikochi.or.jp/onlineshop

2020年5月1日

ニューメンバーのご紹介☆

5月1日より、山研では新しく山田さん(私(委員わだこ)の山の大先輩・先生でもあるポールさん)が管理人に着任されます。以下、自己紹介を寄稿いただきました。

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2020年シーズンより山研管理人となります山田和人(やまだかずひと)です。

日本山岳会(特にユースクラブ)では渾名ポールで呼ばれることも多いですが、もちろんヤマダでけっこうです。よろしくお願いします。

上高地は、高校1年生15歳の時にワンゲル部の槍ヶ岳合宿で初めて訪れ、それ以来、山の虜になった思い出の地です。大学山岳部は合宿が剱岳だったために訪れることはなかったのですが(冬季に飛騨沢から槍ヶ岳は登っていますが)、この美しい景色に触れたくて、社会人になってからは何度か訪れていました。

昨年9月に定年退職を迎え、山々に囲まれた地を目指して都会暮らしを卒業することにしました。冬は妙高高原で雪にまみれ、夏は上高地で冷涼な空気に浸り生活していこうと思います。

前任の元川さんが山研利用者に深く寄り添っている姿を昨年まで見てきました。自分がどこまでできるのか、まだ自信はありませんが、工夫しながらやっていきたいと思っています。皆様からのアドバイスも真摯に受け止めながら、よりよい山研にしていく所存です。よろしくお願いいたします。

2020年4月27日

おうちで、エベレスト・トレーニング


長く続く自粛の日々・・
当初は、これもやるぞ、あれもやるぞー、なーんてはりきっていた私ですが、最近は1日の目標を、「起きたら顔を洗う」に大幅ダウングレード。

最近の私はというと、ただでさえ在宅勤務で妙に時間をとられ、家事もしなきゃ(家で息をするだけでも家は汚れるという事実)、3食分の自炊もあるし(食は最近の数少ない楽しみ・・)

と、なんか1日があっという間にすぎていく・・。

そんな中、気になるのが、みんな、おうちでどんなワークアウトしてるのーーー?ということ。。
今の私に必要なのはモチベーション!!

というわけで、今日は、エベレスト・トレーニングのご紹介です!


という、Steve Houseや、みんな大好き(?)Kilian Jornetがやっている、クライマーや山スキーヤー向けトレーニングプログラムをご存知でしょうか?
以前から世界レベルの人たちがどんなことをやっているのか、みていて興味深かったのですが、


本もでてます(黄色いのは付箋です・・)

こちらは、キリアンのようなトップアスリートも参加していて、トレーニング方法を科学的に考案・提案してくれるウェブサイトです・・。
英語だけど、読み物としてもとってもおもしろい!


で、そのUphill Athleteが、今おうちワークアウトを公開してくれています(以前は有料だったはず)。

おもしろいのが、
エベレスト(!)

と、山別にプログラムしていること。

みてみるとわかりますとおり・・
有酸素運動や体幹を鍛える運動がバランスよく組み合わされています(な上に、とってもきつい😆)
しかも、ヨガマット一枚分のスペースでできちゃうようになっているのが、さすがです。

ちなみに、いい感じに心拍数をあげてくれるBurpeeというのは、これです。
集合住宅に住んでる人は静かにやろう。





きたるゴールデンウィークに、Netflixみながらこれやるぞー!(できれば今日から・・)。
みなさんのおすすめもあったら教えてください⭐︎

山研委員
わだこ記



2020年4月23日

おうちで、上高地

みなさま、今の時期をいかがおすごしですか?

上高地の公式ホームページでは、こんな試みが始まっていますよ〜

おうちでかみこうち Kamikochi at Home

いろんな上高地の旅館のウェブショップがまとまっています。

ご自宅から上高地の気分をお取り寄せですって。
家にいながら上高地気分を味わえる上に、応援もできちゃいます!

えーこんな商品あったんだぁ、と嬉しい発見がいっぱいです。

この公式ホームページ、写真も美しくて読み応え満載だなぁ・・😻
ぜひすみずみまでご覧ください。

困難な時でも、新たなチャレンジしているコミュニティをみると、私も頑張るぞーって励まされます。

明日もいい一日になりますように。


山研委員 わだこ記

2020年4月20日

山と渓谷5月号は・・上高地特集です

緊急事態宣言の範囲が日本全国に拡大したことを受けて、上高地の全宿泊施設は少なくとも5月6日まで全て休業となりました。 

あわせてアルピコ交通のバスも運休となっています。情報は、こちらのページ でもお伝えしています。

実質上高地への入山はできないことになっています。
私も一般登山者として、その意味を受け止め、今できることに専念したいと思います。


まぁ、それでも、上高地の人の気持ちを無視してでも、山に行く人は行くのでしょうけどね・・。自分勝手な理屈を練り上げて。

さて!
今月号の「山と渓谷」はご覧になりましたか?

辛い・・この時期に辛すぎるタイトル・・・



でも、5月号の上高地特集は毎年恒例なので、とっても楽しみにしていました。

今回も読み応えのある内容ですよー。

しかも、だだーん、我らが元川さんと、西糸屋の奥原さん(なんと奥原さんも我らが山研委員なのです(敬礼))が同じページに。
ああ、幸せ・・


みなさんもそうだと思いますが、私は元川さんの文章が本当に好きで好きで・・。

まだ買ってない人買いましょう、そして上高地に想いを馳せましょう(お家で)♡

山研委員わだこ記

2020年4月8日

1ヶ月何しよう?!

皆様もすでにご覧になった方も多いと存じますが、緊急事態宣言の発令に伴い、山岳会からもお知らせが。

山に行けないストレスを感じてる方も多くいらっしゃることでしょう。
(今の状況にストレスを感じていない人なんて、いないと思いますけど)

でも、山を日頃から楽しみ経験を積んでいる私たちは、こんな状況だからこそ、「強い」のだと私は日々感じています。

山に行くときは、天候他の条件変更を想定してPlan Bを立てる経験は、制限が多い状況下でも、今の条件でできること・したいことはなんだろう?と考えるのに応用できそうです。

山に行く時の食料計画は、私の今の生活で計画的に食事の献立を事前に考えることにとても役立っていて、スーパーで無駄な買い物をしないですんでいます。

私にとって人生でこんなに長い休み(って上司にこれ見られたら怒られる笑)は学生のとき以来あだから・・・。
この1ヶ月で何をしよう?って、妙にワクワクしている自分がいるのも事実です。
1ヶ月続けたら、大層なことが成し遂げられそう!

私は、毎日語学のドリル(学生な気分!)、あとは、新しい料理レシピに挑戦すること、毎日友達に電話しておしゃべりすることをまずは決めました。


経済的な不安、生活の不安、いろいろありますけど、ありすぎですけど、なんか、終息後には楽しいことしか起きない気がしている。。。!

こんな呑気なことを言っていられるのも、ひとえに医療や流通、その他生活を支えてくださる方々のご尽力があるからこそです。感謝の気持ちを忘れずに、毎日を過ごしたいと思います。


山研委員
わだこ記 

2020年4月5日

再び、ジョージマロリーのこと

世界で初めてエベレストに登った人は、エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイです!

ーーー登山をしない人の間でも、月面に初めて立ったのはアームストロングです、というのと同じくらい、常識というか、有名な名前でしょう。

しかし、それよりも(1953年)遥か以前の1924年に、ジョージ・マロリーとアンドリュー・アービンが登頂していたとしたら?

彼らは仲間に登攀途中の姿を目撃されるも、その後行方不明になり、遺体も見つからないまま、謎のままになっていました。

手がかりは、残された酸素器具と、仲間の目撃証言のみ。
果たして彼らに何が起きたのか?そして、遺体はどこに?

まるで映画のようなストーリーです。

マロリーたちの遭難は、謎が謎を呼び、語り継がれ、研究されてきました。
そしてついに、ジョージ・マロリーの遺体はその3/4世紀後、すなわち75年後に、マロリー調査遠征隊によって発見されたのです。

今でこそ、多くの人が目指すようになったエベレストですが(去年5月の登頂シーズンの渋滞写真は記憶に新しいところです)・・

マロリーのエベレスト登攀のストーリーは、当時のクライマーたちのアルピニズム・スピリットに胸を打たれますし、登山装備も交通も何もかも、現代と比べるととても不利なのだけれど(マロリーたちの登攀は、インドのダージリンから入って徒歩)、それがまた、登山というより大冒険ストーリーのようで、本当に本当にかっこいいです。。


英語しかないですが、Youtubeの映像。遺体を発見したのはアメリカ人のConrad Anker

↓前のブログにも書きましたが、この本は本当にオススメ(神長さん、勧めてくださってありがとうございました)。
ラストは、なぜか涙が止まりませんでした・・。




本の最後の謝辞には、なんと我らがJAC・古野会長の名前も・・😍
ぎゃっふんだ!

このネタは、まだまだ、続くーー

山研委員 わだこ記

2020年4月3日

山岳史上、最も壮大で美しいミステリー

すでにご案内の通り、山研の利用開始が延期になり、ブログに書く上高地ネタも枯渇気味の(それでなくても、だいぶサボっていた)当さんけんブログです。

しかし、ペンは菌よりも強し。

今後、家で溜まりまくる鬱憤に比例して更新していく所存。

山研委員長(ちょっと前まで新米委員でしたが委員長になりました!)の裁量で笑、上高地や山研に関係ないことでも、書き散らかしていこうと思います。

さて、今回は、唐突に、ジョージ・マロリーについてです。
なぜなら、この本を読んだから。

そして謎は残った―伝説の登山家マロリー発見記


なぜか日本では、山に登る理由の問いの答えとして「そこに山があるから」と訳されて引用されることが多いですが、「(なぜエベレストに挑戦するのかと問われて)Because its there (エベレストがそこにあるから)」と言ったあのマロリー。

2020年は日本人エベレスト登頂50周年ということで、エベレスト関連を調べているうちに、この本を知りました。

私がマロリーについて知っていたのは、上述の有名な言葉と、エベレストで遭難死したということ。
しかし、マロリーが、なぜ世界中のクライマーから今もなお憧れられているその理由はわかっていませんでした。

さて、山を、そしてマロリーをよく知る人には、「Because its there」よりもこの言葉の方がしっくりくるのではないでしょうか。


People ask me, 'What is the use of climbing Mount Everest?' and my answer must at once be, 'It is of no use.'There is not the slightest prospect of any gain whatsoever. Oh, we may learn a little about the behaviour of the human body at high altitudes, and possibly medical men may turn our observation to some account for the purposes of aviation. But otherwise nothing will come of it. We shall not bring back a single bit of gold or silver, not a gem, nor any coal or iron... If you cannot understand that there is something in man which responds to the challenge of this mountain and goes out to meet it, that the struggle is the struggle of life itself upward and forever upward, then you won't see why we go. What we get from this adventure is just sheer joy. And joy is, after all, the end of life. We do not live to eat and make money. We eat and make money to be able to live. That is what life means and what life is for.
George Mallory

「エベレスト登攀に何か「効用」があるのかと問われれば、私は「ない」と答えざるを得ない。(略)
人の心の中にあるこの山にチャレンジしたいという衝動や、人生を通じて高みへ、高みへともがくことを理解できないのであれば、なぜ我々が進むのかはわからないだろう。この冒険から得られるものはただの純粋な喜びであり、喜びとは、突き詰めれば、生きることの最終形でもある。
我々は食べるため、お金を稼ぐために生きているわけではない。私たちは生きるために食べて稼ぐのだ。それこそが人生が意味することであり、生きることの目的でもある。」
(参考訳です・・)

このマロリーの言葉は、山に自由に行けない今だからこそ、深く自分の中で響きました。
自分がどのように生きていきたいのかーーーこれまで山が教えてくれたヒントを、皮肉にも、この不自由な日々に思い出す最近の私です。

ああ、長くなってしまいました。本の内容については、次の記事で!

山研委員 わだこ記