2021年5月15日

2021年開所報告


日本山岳会上高地山岳研究所は5月3日に開所し、会員の皆様の利用を開始いたしました。

最近の感染症拡大の状況を鑑みると、ぜひお越しください、と言いづらい状況ではありますが・・・建物保全の観点からも無事に小屋に空気を通すことができてほっとしました。

今年もう一つうれしかったことは、水力発電を再開できたことです。

私たち山研は、水力発電をメインとした「研究所」です。

ただ昨年は開所時期が全国的に緊急事態宣言中にあたり、発電チームが来れなかったという事情もあり、また、地震も豪雨もあったため、発電を止めている状態でした。

水力発電は、自然を相手にした営みであり、定期的なメンテナンスが必要です。

過去のブログ:水力発電復旧大作戦(2019年10月)


というわけで、今回の開所は、必要最低人数で通常の開所、と水力発電作業、それから感染症対策のカーテン設置と、盛り沢山の内容となりました。

いつもなら2日がかり・10数名で取り組みますが、今回は半分強の人数で効率よくチームワークで進めました。
雪囲いはずしは、なんと2時間掛からず完了!

無我夢中すぎたのですが、写真を唯一撮った水力発電の様子をお伝えします。

1年半前の閉所ぶりにまずはホースを引っ張り出します。

取水口のホースをまずは揃えて・・・

沢沿いに固定します。



ホースの先端から取水します。ベストな水量を確保できるよう、ホースの口を調節します。
沢の地形を見定めて自然に固定できるような位置を見つけるのはなかなかに難しい・・・






雨が降りだして寒かったです・・・(翌日曜日は雪でした)。
沢から引いた水をタンクに一度貯めます。



がんばったおかげで十分水が取れる状態になりました。


ホースは、山研隣の水力発電小屋まで続きます。この小屋の中で発電しています。


はい、無事に電気がつきました〜


今後の目標として、山研の電気をすべてこの水力で賄うなど、より環境に配慮した山研をめざしていこう、と委員の間で話し合いが行われました。今後の活動の強いモチベーションとなりました。



山研委員 わだこ記