4月27日の上高地開山祭から1か月が経ちました。
開所作業は21日でしたし、それ以前のもろもろの準備に取りかかった頃から数えると2か月近くになります。
荷上げ、開所、開山祭、ゴールデンウィーク、照明工事などの大きなこともあっという間でした。
5月はまだ観光客や登山者も少なく、さんけんも利用者の少ない時期ではありますが、そのわりにはどんどん日々が過ぎている印象です。
さんけんの手入れ、傷んだところを直したり、使い勝手がよくなるよう手を加えたり、そんなことや今シーズンの運営について山研委員さんと打合せたり、半年間お世話になるご近所さんや業者さんにご挨拶したりなど、こまごましたことではありますが、忙しくなる前にやっておかねばならないことで忙しいといったところでしょうか。
さて、今回は裏方的な話になりますが、
4月21日、22日は多くの手と手で開所できました。
山研委員さんら総勢20数名、ベテランの委員さんは経験と知恵を、若手はパワーをいかんなく発揮されました。
地味な仕事かもしれませんが、みんなで汗をかくことで皆さんの山を通じたつながりに、もう1本の糸をより合わせることになれば意義深いことと思います。
春の雪はちりぢりにくだけた枯れ葉など細かなごみにまみれていますから、開所作業の後、泥やそんなごみで汚れた軍手を洗って干しました。
白くなった軍手たちの、次の出番はいつになるでしょうか。
実はここ3年続けて梅雨の末期に、大雨や土石流の影響で取水口が壊されるなどして、取水できない状態になってしまいました。
そんなときは軍手をはめてスコップ、つるはし、ジョレンをかついで水源に向かわねばなりません。
昨年は管理人だけで1日半かかって復旧できましたが、その前は委員さんと力を合わせての土木作業になりました。
さんけんは西穂から続く稜線の水を集める善六沢を水源にしています。
湧き水や小さな沢を水源にできれば雨の影響なども受けにくいのでしょうけれども、ほかに適当な水場が見あたらず、さんけんから約500メートル上の沢が少し枝分かれしたところから引いています。
今年は今のところ沢の具合は良好です。
例年雪融けの時期(4、5月)は、日中気温の上がった日や雨の日は沢の水量が増加するとともに濁り(泥、砂)が激しくなるので、飲料水の取水を中止したり、ミニ水力発電も様子を見ながら断続的に運転したりすることが多いのですが、今年は日中の濁りもひどくなく安定して取水できています。
とはいえ、雨が続けば沢が濁って取水できなくなりますが、降り始めから濁り始めるまでの時間が長くなってきたように思います。
一昨年5月の土砂もろとも崩れた雪崩や、昨年の土石流の後遺症から沢が回復してきたのではないかと期待しています。
個人的には土木作業は嫌いではありません。仕事の成果が目に見えますし、なにより、だれもいない山の中での作業が気持ちいいですから。
けれども、閉所作業のときまで軍手の出番なしにすむことを祈っています。
話は戻って、開所の翌週の開山祭は報道などでご存知かもしれませんが、今年は珍しく天気の好い開山祭でした。
参加された皆さんにとって暖かくて気持ちの良い一日だったことでしょう。
私は式典の最中は通り道の歩行を確保する係でじっとしています。
思い返せば、上高地のスタッフジャンパーの下に冬用ヤッケ、ニット帽やネックウォーマーを着込んでいてもがたがた震えている記憶が多かったのですが、今年は献酒の四斗樽やらビールケースを運んだり準備しているうちに汗ばんでくるくらいでした。
神職による安全祈願のあと、河童橋の上でで鏡開きを行い、梓川に注ぎます。
ここのところ雨や雪の交じった「酒の水割り」が多かったですが、梓の川もお神酒の本来の味を味わったことでしょう。
おいしいお酒を楽しまれたのだったら、なんとか今年は落ち着いた気候のシーズンにしてくださいね。
ここのところ雨や雪の交じった「酒の水割り」が多かったですが、梓の川もお神酒の本来の味を味わったことでしょう。
おいしいお酒を楽しまれたのだったら、なんとか今年は落ち着いた気候のシーズンにしてくださいね。
管理人 内野