2019年3月22日

中千丈沢に行ってきました。

今週18日に霞沢岳の中千丈沢に行ってきました。
10年前に発表されたアイスクライミングエリアです。
太兵衛平あたりから

お目当てだったZは氷がつながってなくて、登れませんでした。
でも、かっこいいでしょ?
看板ルート Z

今回は一角獣とジョーズに登りました。もちろんフォローですけど。。。
アプローチもよく、明るくて素敵な場所でした。
先輩の雄姿その壱 一角獣

先輩の雄姿その弐 ジョーズ

















さてさて、開所がもう1カ月後に迫ってきました。毎度、オススメしてしまうのですが、5月6月の上高地は、ニリンソウ、新緑、白い穂高、安定した天候、本当にオススメなんです。
会員の皆さん、計画をちゃんと立ていますか?短い上高地の春をお見逃しないように!
今シーズンも皆様と上高地でお会いできることを楽しみにしています。

見習い山研委員 山下

2019年3月13日

Dear Alison --- 偉大な女性クライマー Alison Hargreavesのこと


引き続き、Tom Ballardにまつわるあれこれについて。

Tomは、現代で最高のクライマーであったと同時に、世界初の女性として単独無酸素エベレスト登頂を成し遂げたAlison Hargreavesの息子としても知られています。
(それ以前の単独無酸素登頂は1980年のメスナー)

Alisonは、33歳の時に1995年5月にエベレストに登頂したその3ヶ月後、次に向かったK2を下山中に悪天候の中、家族を残して命を落としました。遺体は今も見つかっていません。Tomが6歳の時でした。

Alisonと幼い頃のTom、妹のKate(写真はBBCより)


Alisonは若い頃から登山に熱中し、早くから素晴らしいクライマーとしての頭角をあらわしました。
6大北壁をソロで一夏で成功させたり(そして、息子のTomは同じことを2015年に一冬で成し遂げました)、1988年にはTomを妊娠して5.5ヶ月の時に、アイガー北壁にも登っています。

Alisonは、妊娠中にアイガー北壁を登った時も、そしてその死後も英メディアを中心に批判にさらされました。幼い子ども2人を残してエベレストやK2といったリスクの高い登山をしていたからです。
(でも、私は言いたい。男性のクライマーがたとえ
乳幼児を置いて何かに挑戦しても批判されるなんて聞いたことない。)

彼女のモットーは、"It is better to have lived one day as a tiger than a thousand days as a sheep."(1000日を羊のように生きるより、1日を虎のように生きた方がいい)だったといいます。
この言葉は、とてもAlisonらしく、そしてTom Ballardにも受け継がれていたように感じます。

 
最後に、私の好きなビデオ。
(日本語字幕付きのものが見つけられなかったのですが、英語のキャプション付きでぜひ)

"Dream Crazier"  NIKEの広告なんですけど・・


これを見るたびに、私はきっと、Alisonのことを思い出すと思う。

Dear Alison, I admire you so much  as a woman who lived your days as a tiger, and dreamed crazy.



参考記事:BBCウェブサイト
https://www.bbc.com/news/uk-scotland-highlands-islands-47414944 
Rock and Ice記事
https://rockandice.com/climbing-news/memories-of-alison-hargreaves/

山研委員・わだこ記

2019年3月10日

(海外ニュース)英国クライマー Tom Ballardの遺体が発見される

今回は、唐突ですが、ナンガパルパッドでの遭難が報じられていた英国のクライマーTom BallardとイタリアのDaniele Nardiの遺体が発見されたことについて書きます。
(今後、このブログでは、上高地に限らず、山に関することを、特に海外情報も含めてアップしていきたいと思っています。)

BallardとNardiは、ナンガパルパッド登頂を目指していましたが、2月24日以降6300m地点からの交信が途絶えていました。ヘリ捜索は悪天候、それからインドとパキスタン間の国交の事情でなかなか進まず、ドローンの活用も試みられていました。

その後捜索は一度中断されましたが、とうとう昨日、上空から2人の遺体のシルエットが確認されました。(現時点でまだ遺体は回収されていません。)
https://www.bbc.com/news/uk-england-derbyshire-47509067
(写真はBBCウェブサイトより。Tom(左)、Daniele(右)

Tom Ballardは、2015年にヨーロッパアルプスの6大北壁をソロで、それも一冬で成功したクライマー、Daniele Nardiも、何度も冬のNanga Parpat登頂を目指していた著名なクライマーでした。

ご遺族や仲間の気持ちを思うと、言葉になりません。
心からご冥福をお祈りします。

今回の件で、海外メディア、特に英国メディアの報道姿勢には少し驚きました。
特にBBCやGuardianは連日捜索のアップデート情報を報道しており、英国の登山文化の一端を垣間見たように思います。
日本人クライマーが同じように遭難していたら、日本のメディアはどう報道していたかしら。


山研委員・わだこ記