2019年10月5日

水力発電復旧大作戦

われらが「山研」は、山岳研究所の略です。
日本山岳会の会員の皆様の利用以外にも、善六沢を水源とした水力発電や気象データの収集などの研究に取り組んでいます。

水力発電は、流れる水の高低差を利用して発電をするわけですが、実際に山研で何が行われているかというと・・・


山研の裏にあるミニ水力発電実験棟に、



善六沢から水を引いてきて、ペルトン水車に流すと・・・
(水車がぐるんぐるんと動いています)


モニターに発電量が表示されました!
1kwの発電量があることがわかります。


で、山研に戻ると、お、電気がついた〜!




と、超ざっくりいうと、こんな感じです。
仕組みはいたってシンプルなのですね。


しかし・・・
今年は大雨や台風のせいで善六沢の水量が増して土砂が流れ込み、パイプが詰まってしまいました。
で、最終的には水が来なくなってしまい・・・

これは大変だ、ということで9月のとある日に、復旧大作戦が決行されたのです!!

というわけで、その様子をレポートします。

善六沢の取水口へ、いざ出発!
(*以下、頭の中に中島みゆき「地上の星」(プロジェクトX主題歌)を流してご覧ください。風のなかのす〜ばる〜)


先頭を行くのはミニ水力発電委員長のSさん。
(砂の中の銀河〜)

どんどん進みます。

Sさんが持っているのは、新しくつけるパイプ。(みんな何処へ行った〜以下略。)

で、20分くらい登ると取水口につきます。


ドラム缶に水が来ていないことを確認。やはり、パイプが詰まっているようです。

なので、沢の上部に上がり、パイプの状況を確認してみます。


沢に入って、合計6本のパイプを1本ずつ覗いてみる、と。



写真だとなんてことないように見えるかもしれませんけど・・水が冷たくて過酷な作業なんです・・。


土砂がパイプに入らないようにするにはどうしたらいいんだろう?ということで、取水の位置を微調整しました。この写真はパイプを引き上げているところ。


このように、土砂が溜まりづらい位置にパイプの先を移動して固定しました。



冷たい水とパイプ(というか、ホースw)と格闘すること数時間・・・

わーい、水が通りました!!
というか、ぎゃーーー、勢い良すぎてドラムから溢れまくっています😂


最終的にはこのように落ち着きました。




以上、復旧作業をお届けしました。

水力発電は、先輩方の専門技術と苦心によって成り立っていることが身にしみてわかりました・・
大変ではありますが、みんなで知恵を出し合いながら安定した水力発電を目指す一連の作業は、刻々と変わる自然(善六沢)に向き合い、その恵みをいただくという行為そのものなんだなぁと感じられました。

山研の水力発電の研究は、山小屋でも参考にされているということです。


山研委員わだこ記


2 件のコメント:

  1. 上高地を訪れると必ず山研のミニ水力発電施設を見学させていただいております、熱海在住の井手と申します。(一社)グリーンエネルギー推進協議会の代表を務めています。
    取水口から、導水管、そして水車小屋、いつも日常管理に苦労されている様子に感銘を受けている次第です。今回も取水口のメンテナンスが大変だった旨、お疲れ様でした。
    20日、21日に上高地に行きます、またお邪魔しますのでよろしくお願い致します。

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  2. 井手様、いただいていたコメントに気づかず、大変失礼いたしました。コメントをいただき、大変励まされました。すごく嬉しいです。またのご来所をお待ち申し上げております。

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