2021年7月5日

山研 危険木択伐プロジェクト その1

現在の山研が建ってから早28年あまり。

今の建物は第3代で、初代は1961年建設なので、当然ながら、建物周りの木もどんどん成長しています。

さて、昨年山研の今後の修繕・維持課題を委員会で検討した際にあがったのが、この、建物周りの木たちでした。

既に建物にも枝がかかり始めて、猿が木に登って山研にいたずらしたり、 と影響が心配されていました。何本かは日照の関係で建物に向かって生えてもいるし。

しかしまぁ、いかんせん、建物に近い木だし、山研がある場所は関連する法令(国立公園、保安林等)もたくさんある・・・切るのは難しそうだなぁ、と心配していたところ、日本山岳会の中でつてをたどり、適任者とご縁があり、必要な行政手続き(これも異様に大変だった・・・)を経て無事に木を切ることができました。

そこで今日は、木の根伐を担ってくださった、「猿投の森づくりの会」代表の和田豊司さんの報告書を掲載許可をいただいたのでご紹介します。

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JAC上高地山岳研究所(以下山研という)支障木除伐上高地梓川にかかる河童橋横にある山研は1961年に林野庁から土地を借り受け研究施設として活用されている。

善六沢の扇状地の裾に位置し、笹の生い茂る湿地にハルニレ、サワラ、イチイ、カツラ、ダケカンバ、ヤチダモなどが生育している。猿投の森の植生とは全く異なる。今の建屋は3代目で1993年に建てられ、当初は見通しのきく六百山や岳沢が見通せる敷地であったようだ。次第に木々も成長し枯れ枝の屋根への落枝、落ち葉、猿による糞害などが目立ち始め、建屋に影響を与えるようになった。業者による除去が検討されたが古野会長からせっかくJACとして森づくり活動をしているのなら自分たちの手で支障木の除去作業をしてはとの提案で山研委員会が中心になって今回の作業が企画された。国立公園内の厳しい規制のある条件下 、除去に関わる許認可や手続きは山研委員会が行った。当初20本ほどの支障木の除去や水力発電設備であるパイプライン上の枯死木除去も申請したが建屋廻りの11本の除伐と2本の枝打ちのみが認可された支障木の除去は八ヶ岳ツリーワークス(特殊伐採業者、経営者は東海支部員で元ローツェ南壁隊員)がハルニレやイチイの枝打ちと2本の除伐。9本のカツラ、サワラなどを猿投の森づくりの会が担当した。 




                 




除伐前(左)   除伐後(右)

通常であれば伐倒に邪魔な小さな木や草を除去した上、安全な足元を確保して行う作業だが枯れ枝1本除去するにも気を遣う国立公園内であるため作業しにくい。
笹が生い茂る湿地での作業は足元が不安定である。枝打ちした直径90㎜ほどのイチイの枝の年輪を数えたら103年であった。明治初期上高地の用材としての伐採が禁止されて以降の年数とほぼ一致する。巨木とまではいかないが100年を越える木々を除伐するには少し気が引ける。建屋や立木に当たらないよう伐倒方向を定め、さらにロープで牽引し安全を確認してゆっくり倒す技術は猿投の森でいつも経験している。



サワラの伐倒

むしろ枝打ちは経験がなく、八ヶ岳ツリーワークスの仕事である。スローラインという道糸で最上部に細い糸を通し、その糸を使って安全確保用のロープを通し支点を作る。人はロープに身を委ね作業する。切った枝は別の支点を作り切った枝を吊るし、ゆっくり地上に下ろす。20m程上空の軽業師である。猿投の森づくりの会でもM氏はこの作業が可能である。





八ヶ岳ツリーワークスの空中作業



除伐に参加した皆様

任された9本の木は順次伐倒し、ハンドリングできるサイズに切り(玉切りという)整理していく。枝も細かく切り、きれいに揃えその場で腐らせる。持ち出したり薪に活用することはできない。
28人日の作業計画で企画したが好天と卓越した技術、会員の素晴らしいチームワーク、八ヶ岳ツリーワークスの支援により12人・日で作業を終えた。


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以上、「猿投の森づくりの会」の報告でした。
私も以前、猿投の森にうかがったことがあるんですけど、まさに森のプロ・・・
皆さんお疲れ様でした!ありがとうございました!


山研委員 わだこ記

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