釜トンネルができる前は、上高地に入るためには峠を越えるしかアクセスがありませんでした。
小島烏水もウエストンも歩いたこのルート。
私も2回だけ歩いたことがありますが、注目ポイント2点をご紹介します。
(1) 徳本峠小屋 (小屋のホームページもぜひご覧下さい→⭐︎)
徳本峠までのつづら道をひーこら登りきると、迎えてくれる徳本峠小屋。
2010年にリニューアルされました。
こちらは、なんと、山研委員でもある、信州大学の土本先生が設計されたんです。
大正12年の建設当時から残る、古い部分と、新しくリニューアルされた部分が共存しています。
山小屋というと・・・、とかく、トイレがきれいでしたとか、ごはんがおいしかったですとか、利便性や新しさに目がいきがちですよね。
ですが、山小屋は、行き来する登山客の安全を守ってくれている存在。そして、そこにたたずむ歴史の証人でもあります。
徳本峠小屋は、歴史的な建造物としての価値を現代まで残しつつ、安全面・利便性、そして古い部分の良さを損なわないデザインが活きる、土本先生の配慮がすみずみまで行き届いた素敵な小屋です。
こうした徳本峠小屋のような試みは、日本全国でも珍しいのではないでしょうか。
(土本先生は、今後、焼岳小屋のリニューアルにも携わられるのだとか。お話をまた記事にしたいと思っております。)
ちなみに、ウエストン祭のときは、ウエス「トン汁」、ということで、小屋の皆さんが豚汁をふるまってくださいました。
そうしたお心遣いもうれしいですよね。
時間がゆるせば、こちらの小屋に泊まって霞沢岳に足をのばしてみたいなぁ。。
(2) 「古道・徳本峠を守る人々」の登山道整備
島々から峠への登りまではしばらく、沢伝いの道が続き何度か沢を渡ります。
昨年(2017年6月)歩いた時は、丸太が一本かかっているだけで、おっかなびっくり歩いた箇所に・・・
今年は立派な橋がかかっていて感動しました!
地元の人たちが作った「古道・徳本峠を守る人々」のメンバーの皆さんが道を整備してくださっているとのこと。
「山と渓谷」2018年5月号にその記事が掲載されていました。
沢沿いの道に、橋の建材をヘリで運ぶわけにもいかないし、大変なことです…。
記事によると、島々ー明神の全長20 kmの道は、毎年のようにどこかが崩れ、その度に歩けなくなるといいます。徳本峠小屋や上高地の地元の方々のご尽力によって、この登山道は守られているのです。
徳本峠越えは、いつも登山者の安全を守ってくれている、山小屋も、登山道も、当たり前に存在しているわけではないということを思い出させてくれます。ぜひ、歩かれる際は、気に留めてみてください。
あ、そうそう、「徳本峠越えは、行程も長いから不安」・・というお声をよくうかがいます。
ハイ、結構長いです。(コースタイムで10時間程度、距離にして20km、高低差1400m程度)
こちらは6月のウエストン祭記念山行で島々から歩いた時の記録。
(なお、上高地から越える場合の方が、登りが少ない点、最初にがつんと登る点で、少し楽かと思われます。)
徳本峠越えは、エスケープルートがありませんし秋は日照時間が短くなることを考慮すると、特に日帰りの場合は、体力に自信のある方におすすめです。
新米山研委員・わだこ記
先日、私も、安曇支所にゲリラ駐車して、歩いて来ました。
返信削除もう、20回以上歩いてますが、いつ行っても飽きないルートです。
今回は、徳本小屋脇に幕営でしたが平日だったのでサイトはガラガラ!
ノンビリでした。
沢沿いに歩くので気持ちがいいですよね!ガラガラなテントサイト羨ましいです。泊まってみたいです〜
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