2018年7月31日

憧れのクラシックルート - 秋の徳本峠越えのお誘い

秋の徳本峠越えに参加しませんか?


土曜日に山研に1泊して翌日、上高地から徳本峠を越えて島々へ下ります。
例年6月に行っているウエストン祭の記念山行とは逆ルートです。島々からなら歩いたことがあるぞ、という方も新しい発見があるかも・・美しい紅葉を楽しみながら、皆さんで楽しく歩きましょう。

【日程】929日(土)~30日(日)

929日(土)15時までに上高地山岳研究所に集合
930日(日)早朝出発、徳本峠~島々(現地解散)

【費用】8000円(12食、傷害保険料含む)
【申込み】831日(金)までにE-mail  jac-sanken@jac.or.jp まで。
【定員】20名(先着順)

*30日の昼食は各自行動食をご持参ください。
*申込者に詳細案内を送ります。

山研委員一同

2018年7月25日

今日もやけました



最近、よく夕焼けします。
この時期に連日、美しい夕焼けを眺められるのは珍しいと思います。
しかしながら、ベストタイミングで山研を抜け出すのはなかなか難しいことでして、
やはり今日もちょっと遅れてしまいました。
「5分早かったらすごかったのに!」
と河童橋で知人に声かけられたりして。
でも、薄れゆく夕焼けだって十分きれいです。

さて、今週末にやってくるという台風12号。
あまり大暴れせずに通り過ぎてくれるとよいのですが・・・

元川

2018年7月21日

今日の穂高と焼岳とクサボタン

みなさま、暑中お見舞い申し上げます。
上高地でも良いお天気が続き、
日中の最高気温は30℃くらいまで上昇しています。

今日の穂高もご機嫌です。
梓川の上をトンボが飛んでいます。





河童橋と焼岳
梓川の水温は10℃くらいでしょうか。



香りを放つクサボタン。
早くも真夏の花が勢ぞろいです。



季節がどんどん進んでいるようですが、
はてさて今年は秋の到来も早いのでしょうか?

元川




2018年7月6日

ウエストンと嘉門次 / Walter Weston and Kamonji Kamijo

(Japanese original follows English summary)
Walter Weston and Kamonji Kamijo Walter Weston is very famous and referred as a father of modern mountaineering in Japan.We can see his relief in Kamikochi, near Taisho pond in memory of his contribution. So here is the question I came up to my mind: what did he do actually?A book titled “Walter Weston and Kamonji Kamijo” by Ms. Hisae Kamijo, a wife of Kamonji’s great-grandson’s tells me the answer. 
During his stay in Japan, Weston was very enthusiastic for climbing, and has been to a lot of mountains, mainly in North/South Japan Alps, sometimes with his wife.
He became the first climber to have reached some summit of Japanese mountains.

Before the Weston’s era, mountains had been a place for living or symbol of religion. He brought us an idea to climb mountains as a pleasure.

The book also talks about Kamijo, Kamonji, a hunter, and mountain guide who lived in Kamikochi.
It’s hard for me to explain who/how he was in English, but I must say he is the key player of “Golden Age” of Kamikochi.
Kamonji guided Weston to Hotaka, etc. and built a friendship with Weston.


Walter Weston was born in Darby in 1861 and had stayed in Japan three times in 1888-18941902-1905 and 1911-1915 as a missionary.

Before/Around when Weston came to Japan, in late nineteenth century, Ernesto Satow, British diplomat, published “A Handbook for Travellers in Central and Northern Japan” and some foreigners started to climb mountains in Japan.

ウォルター・ウエストンーーー。
「日本の近代登山の父」として、あまりにも有名な人ではありますが、どんな人だったのか、ご存知でない方も多いのではないでしょうか。
私も槍・穂高に登って日本アルプスを海外に紹介した人、というざっくりした認識しかありませんでした。
なぜ、このイギリス人のレリーフを上高地に飾り、毎年彼の名前を冠するイベント(ウエストン祭)を行うのか―――。

本日は、先日のウエストン祭にて、菊地俊朗氏が記念講演にてご紹介くださった「ウォルター・ウエストンと上條嘉門次」について、書きたいと思います。
著者は、上條久枝氏。言わずと知れた嘉門次小屋4代目女将さんです。


本書は、ウエストンの著書を通じて彼の足跡を丁寧にたどり、当時の歴史背景と登山事情を踏まえて、彼の功績や人となりをまとめており、私の疑問に答えてくれています。

さて、ウォルターウエストンは、1861年、イギリスのダービーに生まれ、宣教師として日本に3度滞在しました。(1888-18941902-19051911-1915年)

当時の日本では、アーネスト・サトウが「日本旅行案内」を発表して、いわゆる「お雇い外国人」が日本国内を旅したり登山を始めた頃でした。
イザべラ・バードの「日本奥地紀行」もすでに出版されています(1880年)。

ウエストンはヨーロッパでもモンブランに登頂するなどのクライマーで、日本でも山に登ることを楽しみにしていたようです。
滞在中は、「お、お仕事の方は大丈夫ですか?」と心配になるくらい、飛騨山脈を中心に、せっせと山に登り、旅をしました。
1回目の来日時には槍ヶ岳や穂高、富士山や針ノ木峠越え、2回目は南アルプスを中心に、3回目は夫人とともに奥穂高岳南稜ルートや劔岳、などなどなどなど。ウエストンが初登頂した日本の山・ルートはたくさんあります。

最初の来日から一度帰国した際は、「MOUNTAINEERING AND EXPLORATION IN THE JAPANESE ALPS」(日本アルプスの登山と探検)を英国で出版し、大きな話題を呼びました。

今の登山と違い、交通も登山道も装備も整っていないし、なんなら地図もありません(嘉門次が、ウエストンの直前に測量士を連れて前穂に登っています)
ウエストンはある程度日本語ができたようですが、それでも、不自由は多かったはず。彼の積極的な山行は、冒険的な側面も多分にあったことが感じとれます。

ウエストンは、「趣味/楽しみとしてrecreational」の登山を日本で始めた人、とよく説明されます。それ以前は、日本人にとっての山とは、信仰の対象、または生活の場でした。
たとえば、印象に残ったのが笠ヶ岳登山のくだり。彼は、槍ヶ岳から笠ヶ岳をみてその形に心惹かれ、どうしても登りたくなったようです。(播隆上人が笠から槍を見たのとちょうど逆ですね。)
地元の人にガイドを頼むと、「みんな雨乞いに出払っている」、「外国人が山に入るとたたられる」と何度も断られます。
あきらめきれないウエストンは翌年もトライして、再度地元の人と一悶着した後、3年越しに執念の登頂を果たします。
(そして、その「真相」については、ぜひ本書をご一読ください。)


そして、本書のもう一人の主役である、上高地が生んだスター、上條嘉門次。知れば知るほどに本当にかっこいいです・・・♡
嘉門次が現代に生きていたら、どんな登山をしていただろう?と想像が膨らみます。
嘉門次についての出版物はあまり多くないと思いますので、その意味でも本書は貴重な資料なのではないでしょうか。
嘉門次とウエストンという二人の山男の間の、国境を超えた友情についても描かれていますが、うるっとするものがありました。 

オススメの一冊です!

山研新米委員・わだこ記




2018年7月1日

梅雨明け?の上高地から季節のお便り

関東甲信地方が早くも梅雨明けしたとのことですが、
都会のみなさま、いかがお過ごしでしょうか。
「暑くてもう無理!」でしたら
涼みにいらっしゃいませんか?

上高地も信州の一角ではありますが、
お天気のうつろいは新潟や岐阜に近いので
梅雨明けしたと言ってもまだどことなく梅雨らしい雰囲気が残っています。

そして先日のまとまった雨で梓川はまだ少し増水気味です。
でもこのくらい深いと青さも一層際立ちますね。
さすがに気温が上がってきているので、
川遊びの人もちらほらと見られるようになりました。


今日はケショウヤナギの柳絮が多く舞っています。
鼻や目に入りそうです。




木の幹に絡みついたツルアジサイは、純白の花を咲かせています。


比較的お客さんの少ないこの時期は、
道端の草刈りも念入りに進められます。
道幅を確保するばかりでなく、
熊さんと人が不用意に出くわさないための緩衝帯にもなるわけです。


それでも今が盛りのニッコウキスゲやヤマオダマキは
刈らずに残してくれてありました。




山研周辺もすっかり草に覆われてきたので
数日前から草刈りを始めました。
イラクサを食草としているコヒオドシ(高山蝶) の幼虫を、
刈らないエリアのイラクサへと引っ越しさせながらの草刈りです。


昨年はこんなにたくさんいたかな?と思うほどの数です。
このうちのどれくらいが無事に蛹になってくれるでしょう。
・・・というより、そもそもどこで蛹になるつもりだ??

今夏はこの子たちの観察に夢中になりそうです。

管理人 元川